渡来人、読文学。

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二十四史邦訳計画 計画変更

方針の転換を図ることにする

 

1.よく考えたら今の追記追記スタイルだとブログの意味が無い(+仮に読んでらっしゃる方がおられても)ので一段落一段落原稿が上がる毎に新しい記事とする。

2.『史記』と『晋書』を取りあえず置いて、現状私的需要のある『漢書』と『後漢書』から訳すことにする。

3.後漢研究という主眼からみるとまどろっこしいので、『後漢書』の本紀、伝記等が終わる毎に、手元にある中華文化網の控えより『東観漢記』と『後漢紀校注』の該当箇所と思われる部分にも徐々に手をつける

4.訳が色々間違ってる気がしてきたので、ちょっと漢文習熟と概説書の再読による再確認にも時間を費やす。

5.1に従って現状の『後漢書訳』も段落毎に記事を立て直す。

6.色々ネット上の他の方の先行研究も読み直したり探したり当人にTwitterなどでフォローをし接触をはかったりする作業をまず行う。

7.訳出し終えた文献は別記事に纏める

8.全てが終わったら編年的再編纂作業を行う。

 

以上。

二十四史邦訳計画 『後漢書』 光武帝紀 第一上 第1段落

●第1段落

 割と普通の史書の世界に戻って参りました。

 ではとりあえず光武帝紀から参りますかね。

 でもこの文章、何によってるのかが分からない。

 まぁいいや、無料の速訳だしね。

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後漢やその他の歴史と曲筆について。

 うーん、なんか勘違いされている方が多いような気がするんですけれど、集史編纂事業と曲筆というのは、当然漢初の楚漢戦争問題においても存在するし(やる夫スレの私談・楚漢戦争の方も指摘されていた『楚漢春秋』の資料的問題もありますが)、唐王朝以後に至っては当然とでもいうべき事柄であって、それがこれまでは正史という概念の問題として、これまで描かれてきて、そのせいで集史編纂事業を大々的に行った李世民の罪としてピックアップされがちだった訳ですけれども、集纂事業自体が蘭台と東観の研究によってもっと時代を遡ることが出来ることになったのが顕著な発見であったのであって、それを劉秀の罪とするのは、李世民の罪とするのと全く同じ問題を孕んでいると思うんですよね。例えば『史通』における『後漢書』そのほかの曲筆問題というのも、実は純粋に例の一つとして挙げている訳です。

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二十四史邦訳計画 『史記』三皇本紀(了)

 ということで、まずは『史記』「三皇本紀」です。とりあえず信憑性は脇に置きましょう。唐人が補填したことには理由がありまぁす(強弁)。

 まどろっこしいし今興味ある時代にも踏み出したいところであるので『後漢書』やら『晋書』やらも同時に訳していこうと思っておりますが。あと『晋書』はむしろ功名心ですな。ググっても老舗様達が生真面目に訳した物しか出てこないから両晋南北朝やっちゃえーという。そちらは真面目な訳なので若干心も折れかけましたがこちらは速さと簡便さで勝負してやるとの意気込みで。後、私訳ですので当然他の方がやられている部分も全部やってまいります。訳も色々あれば解釈も色々ありましょうしね。

では訳して参りましょう。

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二十四史邦訳計画 渡来人自序

 二十四史等の漢籍について維基文庫からの転載での私訳のためにブログを始めてみました。

 と言ってもかなりいい加減な速訳&拙訳になります。何しろ学部卒後十年くらい経って手を付ける事業となります。超簡易的な演習のような手法で(と言っても大漢和とかは用意出来てません……まだ。つまり新字源とか電子辞書とかでやっていくことになります。プリンタも台紙も金がないのでありません。校正とかもひたすらPC上で手動ですしやってくれる相手も居ない形になります。)その代わりガンガン色んな物に浮気しながらも色々訳していきたいと思います。通読していく内に力がつくものと信じつつ、やって参ります。歴史の先達方には、どうかお手柔らかに、ただし遠慮無くドンドン御善導賜りたく思います。

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